建学の精神である「捨我精進」を実践し、
柔軟な思考と行動力のある人間性の豊かな人材を育成
田園調布学園大学は「社会福祉学」「保育学」「心理学」という学問領域の教育・研究を目的とする大学です。また、こうした学問を基盤として「子どもから高齢者までのすべてのライフステージ」を視野に入れた「質」の高い優れた実践家を養成しています。本学の教育を支えているのは「捨我精進」という教育理念です。「捨我精進」という理念は、「我を捨ててそれに適応する精神を実行すれば運命に打ち勝つことができる」という考え方、もう少し柔らかく言えば、「自己中心の考えではなく、常に相手のことを考え、行動する」という考え方にほかなりません。田園調布学園大学の人間福祉学部、子ども未来学部、人間科学部という三つの学部、そして大学院の人間学研究科では、いずれもこの「捨我精進」という理念を基盤にして教育が進められています。
未来に向けて、本学は、急速に進む日本の少子・高齢化社会を支える、質の高い「実践力」を有する人材を社会に送り出し、地域から信頼される特色ある大学づくりをめざしていく所存です。ひきつづき、皆様のご理解とご支援を賜りたくお願い申し上げます。
学歴 | 1966年 3月 調布高等学校(現・田園調布学園高等部)卒業 1970年 3月 慶應義塾大学文学部卒業 1973年 3月 慶應義塾大学大学院社会学研究科教育学専攻修士課程修了 1979年 3月 慶應義塾大学社会学研究科教育学専攻博士課程単位取得退学 |
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職歴 | 2000年10月 東北大学大学院教育学研究科・教育学部教授(2011 年3 月まで) 2011年 4月 東北大学名誉教授(現在に至る) 2011年 4月 田園調布学園大学子ども未来学部教授(現在に至る) 2013年 4月 田園調布学園大学副学長(2017 年3 月まで) 2015年 4月 田園調布学園大学大学院人間学研究科子ども人間学専攻教授(現在に至る) 2015年 4月 田園調布学園大学大学院人間学研究科子ども人間学専攻・研究科長(2017 年3 月まで) 2017年 4月 田園調布学園大学学長 |
論文・著書 | 1.『わざ言語―感覚の共有を通しての「学び」へ』(編著)慶應義塾大学出版会、2011年 2.『男女共学・別学を問いなおす―新しい議論のステージへ』)(編著)東洋館出版社、2011年 3.「わざ」から知る』(コレクション認知科学6)新装版、東京大学出版会、2007年 4.『ジェンダーと教育―理念・歴史の検討から政策の実現に向けて』(編著)(東北大学21世紀COE プログラム ジェンダー法・政策研究叢書 第4 巻)、東北大学出版会、2005 年 5.「教育を文化的視座から捉えなおすことの意味―『文化』と『思考』に着目して―」、『教育哲学研究』第99 号、教育哲学会、2009 年 6.“What are the Implications of the Teaching and Learning M ethod o f Traditional J apanese A rtistic Performances?”‘Kampf oder Dialog der Kulturen?’, Bildungund Erziehung( 53). Jg.Heft4/Dezember, 2000 7.[監訳]J.R.マーティン(著)『カルチュラル・ミスエデュケーション―「文化遺産の伝達」とは何なのか―』、東北大学出版会、2008 年 8.[監訳]J.R.マーティン(著)『スクールホーム―〈ケア〉する学校』、東京大学出版会、2007年 他多数 |
所属学会 | 教育哲学会 教育思想史学会 教育心理学会 日本教師学学会 日本教師教育学会 東北教育哲学教育史学会 |
社会活動 | 仙台市経済活性化・雇用政策検討委員 日本学術振興会科学研究費委員会審査委員 日本学術振興会国際事業委員会委員 日本学術会議連携会員 |
次世代を担う人材を養成する
皆様こんにちは。副学長の伊東秀幸です。
人工知能が発達する10年後には、タクシードライバーなど世の中からなくなってしまう職業があると話題になりました。反対に10年後にも存続する職業として、ソーシャルワーカーや教師などが言われています。それらの職業は、人と関わる仕事をするもので、人工知能が発達し様々なロボットが開発されたとしても、ロボットにはできない仕事であるということでしょう。
ロボットが発達して、人間の仕事を奪ってしまう。まるでSF映画のようですが、それが、10年後、20年後の日本の姿なのだと思います。我々に残された仕事は、より専門性の高い仕事、創造的な仕事になるのでしょう。
諸君は本学で学び、福祉・教育・心理領域の専門職として、将来においても社会で活躍する人材になることを期待しています。
人と共に生きる人間力を ― 春に思う
春は、様々な姿を私たちに見せてくれます。
陽春、春風、春霞、春一番、春嵐、春寒、そして春告鳥に桜。
自然の移ろいは私たちの歩みにも似て、心地良い陽射しの中で仲間と共に穏やかに過ごす時があれば、予期せぬ出来事に右往左往する時もあります。
春は、新入生を迎え、また学生たちもそれぞれに進級し、心あらたまる時でもあります。大学の4年間を人生の季節に準えると、いったいどのような季節が巡ってくるのでしょう。 例え、どのような季節に出合おうとも、学生、教員共に「自己と他者、そして私たちが生きる社会」について、福祉、保育、教育という専門性を通して、また教養としての学びや研究を通して考え抜き行動し、互いに支えあう一人の人間として自律・自立していくための礎となる足跡(そくせき)としたいものです。人と共に生きる人間力を、多角的に自分のものとして欲しいと思います。そして、その仲間が次第に増し共に支え合うことができるようになることが、大学生としての生活の充実にも繋がっていくはずです。
巡る季節の中に一人一人の生命を重ね合わせ、これから来る季節―春夏秋冬―を皆で創り出していく様を思い描きながら、共に、ここ田園調布学園大学で過ごしていきたいと思います。