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心理学科

2022.12.19

うさぎへの習慣づけ―2か月でうさぎの行動を変えられるか―


2か月でうさぎの行動を変えられるか

 『学習・言語心理学』の授業では,「行動制御」や「反応形成(シェーピング)」といった学習のメカニズムを学びます。

 人が習慣を形成するためには約2か月かかることを示した研究があります。この研究を紹介したところ,心理学科1年生 Sさんは,うさぎへの習慣づけを試みました。

 2か月で驚くほどの変化を遂げたうさぎの様子をお楽しみください。

                      (担当 五島)

  • 1.かごの中が落ち着く様子,ケージの外になかなか出てこない

  • 2.鼻をケージの外に出して撫でてもらうのを待つ

  • 3.私の手の下に頭を入れてきて,撫でるのをせがむ

  • 4.おとなしく爪切りと ブラッシングさせてくれるようになった
【課題内容】
 約2か月で習慣を形成すること。

【実践内容】
 自宅で飼っているうさぎ(2歳メス)への習慣づけを行った。我が家のうさぎは少々気性が荒く,ペットショップで買った際も「懐きにくいかもしれない」と言われていた。現に私以外には慣れてさえいない。うさぎが自ら来るまでは触らないというのが我が家のルールである(写真1)。2か月で,このうさぎが懐くか試した。

 実践したことは,帰宅後に必ずうさぎのもとに行き,「ただいま」と声をかけ頭を撫でることだった。私が望んだこの習慣づけの結果は以下の2つである。

1. 私が帰宅した事をうさぎが認識できること
2. 以前より私に懐いてくれること

 この2点について,習慣作りを行う前と後の違いは下記のとおりである。

【結果】
 1. 私が帰宅した事をうさぎが認識できているか

 結論として,認識できていると考えられる。はじめの1か月あたりまでは,どうして撫でてくるの?という感じであった。しかし,2か月が経過した現在,私がうさぎに「ただいま」と言いに行くと,ケージの間から鼻を出して待っていたり(写真2),ケージの扉の前で待っていたりしている。以前はこのような行動は見られなかったため,この習慣づけによるものだと言える。

 2.以前より私に懐いてくれるか

 結論として,懐いたと考えられる。明らかに以前とは違っている。以前は警戒心が強く,近寄ってこなかったが,今はケージから出すと私の周りで遊ぶようになった。膝の上に載ってきたり,頭を撫でてもらいに来たり,甘える行動が以前より増えた(写真3)。何より変化を感じたのは,爪切りとブラッシングである。嫌がってやらせてくれなかったこの2つを,今ではおとなしくさせてくれるようになった(写真4)。

【最後に】
 2か月でここまでの変化が出ることに驚いた。以前も機嫌がいい時は少し触らせてくれることもあったが,自ら近づいてくることはなかった。ペットとの関わり方は難しく,構いすぎるとペットのストレスになってしまう。今回の実践はうさぎにストレスをかけず,仲良くなることができた。最近我が家では,保護猫を2匹迎えた。1匹はまだ警戒心が強く撫でさせてくれない。仲良くなれる方法を考えたいと思う。

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